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[映画]残穢(ざんえ)住んではいけない部屋を観た感想と心霊体験(ネタバレあり)

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あらすじ

読者投稿をもとにした怪談小説の連載をもつ小説家の「私」

ある日、女子大生の「久保さん」という読者から、住んでいるマンションの部屋で奇妙な音がするという内容の手紙が届く。二人で調べていくうちに、同じマンションの元住人たちが、転居した先で自ら命を絶ったり、心中などの事件を引き起こしていることを知る。

オカルト好き作家の平岡さん、心霊マニアの三澤くん、作家である夫の協力を得て、たどり着いた先にある"穢れ"の真相とは…。

日本のホラーは日常とリンクする

私は可愛いものが好きですが、怖い系の映画も大好物です。小学生の頃にチャイルドプレイでホラー映画にハマって以来、片っ端から観てきました。友達や彼氏は一緒に観てくれないので、ひとり映画ばっかりでしたが。

かつてはゾンビやスプラッター映画をよく観ていたのが、アラサーあたりからミステリー・サスペンス映画へと好みが変化。感情移入が激しい性質なので、非現実的なスリル・興奮を味わいたい!

ふだんは海外モノばかり観ていますが、残穢(ざんえ)ー住んではいけない部屋ーはホラー小説が元なので、とても気になっていました。

Hulu の新着に上がっていたので思い出し、今回視聴してみることに。怖い映画も家から一歩も出ずに楽しめる時代になって嬉しい。

幽霊が出る部屋や、いわくつきの事故物件は、とても身近にある開けてはいけない扉の向こう側という感じでゾクゾクしますね。有名な事故物件情報サイト「大島てる」もほんのたまにのぞきます。

私が昔体験した、家にまつわる心霊体験についてもついでに書いてみました。今の家は平和ですが、稀になにかを感じることはあります。

「大島てる」情報によると、事故物件にはさまれたマンションだからですかね?

映画は、もしかしたらこの場所も…と想像してしまうようなストーリーに仕上がっており存分に楽しめました。おどかすだけのホラーより、心理的にくるのが好きな方にはおすすめです。ネタバレありです。

作品情報

  • 邦画:ホラー
  • 監督:中村義洋
  • 原作:小野不由美
  • 公開:2016年
  • 上映時間:107分 (1時間47分)

公式サイトはすでに閉じられています(ドメインが約9万円で売却中でした)

主な登場人物

  • 主人公のミステリー小説家「」(演:竹内結子)
  • 女子大生の久保さん (演:橋本愛)
  • オカルト好き作家の平岡さん (演:佐々木蔵之介)
  • 心霊マニア会社員の三澤くん (演:坂口健太郎)
  • 「私」の夫 直人 (演:滝藤賢一)

ネタバレ感想

竹内結子さん演じる主人公は、ミステリー小説家の「私」

怪談雑誌に連載を持ち、読者投稿をもとに、短編の実話怪談小説を執筆しています。

読者の久保さんという女子大生から一通の手紙が届きます。その内容は「住んでいるマンションの部屋で奇妙な音がする」というものでした。

岡谷マンション202号室の奇妙な音 (2012年5月の手紙)

久保さんの住む岡谷マンションには、ファミリー向けと単身者向けの間取りの部屋があり、202号室は単身者向けの1DK。

レポートを書いたりメインの生活をしているダイニングキッチンと、越してきた当初は寝室にしていた和室。

ズズ…ズズ…となにかが床を掃くような気味の悪い音は、和室から聞こえてきます。

私も、家にひとりでいるとき音には敏感になりがちでけっこうドキッとするのでさっそくゾワゾワ。たまに冷蔵庫からガコン!とか聞こえるだけでビクリとしたり。

久保さんが視線を向けると音は止みますが、ある時ついに「着物の帯」のようなものを目撃し、ほうきで掃く音ではなく、首をくくった女性の和装の帯が擦っている音ではないかと予想するのです。

一瞬「一反木綿(妖怪)が出る部屋!?」と思いましたが、白色ではなくもっと不気味な柄付きの帯なんですよね。音ならまだ我慢できるけれど、見えてしまっても暮らせる久保さん…強いです!私なら即ネカフェへ逃げて引っ越しも業者さんに頼みます。

岡谷マンション405号室の奇妙な音 (2010年6月の手紙)

こちらはファミリー向けの部屋。

過去に送られてきた投稿によると、やはり和室から床を掃くような奇妙な音が聞こえ、宙に揺れている「なにか」が、娘には見えているようでした。

(娘ちゃん、ぬいぐるみで実演しなくていいよ!)

部屋も間取りも違うのに、同じ現象が起きているという曖昧さが腑に落ちない「私」

久保さんは、ほかの部屋の住民や近所の主婦に聞き込みをしたり(探偵のよう!)、不動産会社にも岡谷マンションで過去にそういったことがなかったか訊ねますが、そのような事実はなさそうでした。

202号室の過去の住人

前の住人は、梶川さんという20代の男性。約4ヶ月住んだ後、別のアパートへ引っ越し、そこで自らの命を絶っていたことを知ります。

アパートの大家さんの話では、梶川さんは前のマンションで赤ん坊の泣き声に悩まされていたのではないかということでした。

今までとは違う展開です。赤ん坊の泣き声は一体どこから…?

梶川さんのもとには、ズズ…ズズ…音の「なにか」が現れたわけではなかったんですね。泣き声より奇妙な音のほうが精神的にまだマシでしょうか。

マンションが建つ前にさかのぼる

土地に残る因縁が原因ではないか…と考え、「私」と久保さんの2人で調査を開始します。そして少しずつ、過去の怪異が浮き彫りに。

小井戸さんというひとり暮らしのおじいちゃんは、隙間を埋めるようにゴミを詰め、ゴミ屋敷の中で病死。

周りは空き地なのに、ゴミを詰め込むのは律儀なくらい家の中だけ!だったんです。それが逆に気持ち悪い。

根本さんちのおばあちゃんが認知症になり、縁の下の見えないネコに話しかけ餌をやっていた。

(はたして本当にネコなのか…?)

川原さんちの息子は、家庭内暴力やボヤ騒ぎを起こしたり、いたずら電話をかけたり、ずっと時報に繋ぎっぱなしだったりという問題行動があった。

ここで久保さんには思い当たることが…

最近、隣の201号に引っ越してきた飯田さんという3人家族の奥さんが、

「おひとりですか?消火器ありますか?今何時ですか?」

という、いたずら電話に悩まされ、久保さんに相談していたからです。

そして帰宅すると、いつの間にか飯田家は引っ越した後なのでした…。

奇妙な音、赤ん坊の泣き声、いたずら電話。全部バラバラのようで、すべて先につながっています。伏線の張り方が上手。

高野家で起きたこと (昭和)

高野家の奥さんが、娘の結婚式の夜に着物姿で首をくくった。

奥さんは生前、ほかの人には聞こえない「赤ん坊の泣き声」でノイローゼ気味だったという証言が出てきます。家の床から赤ん坊が「湧いて出る」と…。

娘が結婚前に、あまり思わしくない男性との間にできた子どもを堕胎または流産したらしく、それを気に病んでしまったのでは?と推測されています。

ようやく、久保さんは新しいマンションに引っ越すことを決めました。

202・405号室の奇妙な音、前の住人が聞いた赤ん坊の泣き声は、高野家が出元か?という話になりますが、「湧いて出る」という赤ん坊に「私」は疑問を抱きます。

長屋で1952年に起きた事件 (昭和)

同業の作家、平岡さんから、赤ん坊につながる奇妙な情報が届きます。

1952年、中村美佐緒という女性が、わが子である赤ん坊を何人も手にかけ、長屋の床下に埋めて逮捕されていたのです…。

そしてその長屋があった場所こそ、今の岡谷マンションだと判明!

現在につながるまで、長屋→高野家・根本家→4軒(高野家・根本家含む)→小井戸家と空き地→駐車場→岡谷マンションという経緯をたどっている土地。

美佐緒が起こした事件の前に、まだなにかが隠されている…と調査は続きます。

吉兼家の三男が聞いた声 (明治~大正)

長屋の前にあったお屋敷。

吉兼家では、息子の友三郎が、恨みのこもった「声」が聞こえると暴れ、家に火をつけようとしたため、座敷牢に閉じ込められていたという記録が残っていました。

この座敷牢内の便槽(トイレ)と床下がつながっていたため、友三郎はよく抜け出しては床下を徘徊していたらしい…。

想像すると、ものすごくホラーです。

中村美佐緒は、床下から聞こえる声に命じられて赤ん坊を手にかけたことから、小井戸家のゴミを溜めていたおじいちゃん、根本家のネコ?に話しかけていたおばあちゃんにも、友三郎の声が聞こえていたのかもしれません。

吉兼家の後妻の嫁入り道具がやばい

吉兼家の菩提寺の住職へ話を聞きにいくことに。

菩提寺(ぼだいじ)というのは、先祖代々の位牌が納められ、供養してくれている、自分の家のお寺さんのことです。

吉兼家は大正時代にこの場所を離れ、消息不明。最後の記録として、みよし(三善) という若い後妻さんがいたことが分かります。

みよしは、嫁入り道具としてきれいなお姫様の肖像画の掛け軸を持参していましたが、これがどうやら、いわくつきの危険なアイテム…。

ときおり"風の音"と"うめき声"とともに、絵の中のお姫様の顔が苦し気にゆがみ、それを目にしてしまうと、呪いがかかるというのです。

九州の奥山家 (みよしの実家)

作家の平岡さんが「九州のことならあいつが詳しい」というので、心霊マニアの三澤くんが調査に加わります。

彼は話しても祟られる、聞いても祟られるという奥山家にまつわる恐ろしい言い伝えを語ります。

「え、大丈夫…?」と思いますよね。話すのストップ!と言いたくても、全部話してからこれを言うので、あとのまつり状態w

明治時代、炭鉱を経営していた奥山家。

大きな火災事故が起こり、100人以上の炭鉱夫が犠牲になってしまいます。鎮火させるために、逃げ道を塞がれてしまったのです。

奥山家の最後の当主は、妻・子ども・孫・使用人にいたるまで家族20人以上を手にかけ、自らは近くの山で命を絶ったらしい。

お姫様の絵の呪い・奥山家の壮絶な最後は、炭鉱で逃げ場を失い焼け死んだ労働者の祟りではないか…?と考えます。

真辺家(奥山家の跡地)へ潜入

過去に「私」が執筆した短編怪談(河童のミイラ)から、つながりがあると判明したのが真辺家。投稿の送り主の真辺さんと連絡を取り、会うことになります。

実は、奥山家の土地を買って建てたのが真辺家でした。投稿者の真辺さんの親戚の自宅です。ただ、真辺家の当主も、集めたオカルトコレクションのひとつの日本刀で自ら命を絶っています。

そして今も存在する真辺家に、「私」、久保さん、平岡さん、三澤くんの4人で足を踏み入れることに。

「私」は原因不明の肩こりで首にコルセットを巻いている状態。奥山家の呪いか?と内心感じています。

洋画であれば、このあたりがクライマックスで、色々な脅しが入ってきますが、発見があるだけで特別「なにか」が出てきたりはしません。

複数の神棚、壁には古いお札がびっしり、そして床には…。

投稿者の真辺さんが子どもの頃にこの家で目撃した「河童のミイラ」は、焼け焦げた炭鉱夫でした。

奥山怪談と怨念のゆくえ

その後も、奥山家にまつわる怪談話がたくさん見つかります。

そんなある日、岡谷マンションで久保さんの隣の201号に住んでいた飯田さん一家が無理心中したという事件をテレビのニュースで久保さんが知ります。

「今のマンションでもまたあの音が聞こえるようになった…」という久保さん。ずっとついてくるのでは?と不安をもらします。

もうこれ以上追及するのは止めようと、久保さんが岡谷マンションに越してきて2年で調査を終了します。

原因不明と言われていた「私」の肩こりの原因が分かり、久保さんも無事社会人となり、ほかの住民や元住民も何事もなく暮らしています。

しかし、本当は「なにか」が映っちゃっているし、子どもたちには「それ」が見えているようです。

これで平和になったと思わせておいて…実は違います。関わった人間に感染し、おそらくいつまでもついてくるのでしょう。

祟るべき奥山家はなくなっても、炭鉱夫たちの怨念は凄まじく、ずっと続いていくのです。その穢れに触れてしまった「私」たちにも…。

映画でもなかなかの複雑さだったので、原作小説ではもっと細かい設定がなされているんでしょうね~!原作も読みたくなりました。

真辺家への潜入までは、王道ホラーという感じでなかなか楽しめます。

ただ、ここで怖がらせようとする!?というB級ホラーにありがちなシーンがラストのほうにあるので、そこが少し残念でした。幽霊があっちでもこっちでも自己主張していると、怖さが半減してしまいますね…。

着物の帯が擦る音に興味があったので、バスタオルで試してみたけれど、あんまり音はしなかった(笑)

私が体験した幽霊との同居生活

中学生のとき、一時期住んでいた団地の5階の部屋で、気配・足音・勝手にテレビがつく、という不可思議な現象にしばらく悩まされたことがあります。

出る場所は大体決まっていて、北向きの父親の部屋でした。北向きの部屋は、寒くいつも薄暗かった。

学校から帰宅したら居間へ行きすぐに、隣接する父の部屋との境であるふすまを閉める。10分ほどすると、誰もいない父の部屋からテレビの音が聞こえ始める。

ふすまを開けると誰もいないが、テレビだけがついているので、とりあえず消して居間に戻り少し経つとまたつく…の繰り返し。

薄暗い部屋にテレビだけが無意味についているのは、なかなか気持ち悪いものでした。映画リングみたいで…。

しかも、憎たらしいのは、母が帰宅すると何事もなかったかのように静かになること。

人ってこれくらいの異変だと、けっこうすぐ慣れて、怖いけどまぁいいかという状態になっていきます。みえたわけでも金縛りにあうわけでもなかったので。

「音」で一番覚えているのは玄関で靴を履いているときのことです。

誰かにじっと見られているような強烈な視線を感じて、振り向いたら誰もいない。しかしその瞬間、私の右隣を足音だけが通り過ぎて玄関を出て行ったことがありました。

その足音、玄関の向こう側、階段の3階にいた従姉妹も聞いていたんです…。

上から足音がしたから私かと思ったら、私が叫んで飛び出してきたドアの音とともに消えたと。

元々ではなく、とある場所に家族旅行へ行ってから起き始めたことなので、なにかがついてきたのかなと今は思うのですが。

その後、記憶は曖昧ですがおそらくいつのまにかおさまり、引っ越してからは何も起きませんでした。

従姉妹の家のなにか


同時期、中古の一軒家に住んでいた従姉妹も、自分の部屋の天井裏あたりから、おもちゃの木琴のような音で「タタタタ タタタタン」というメロディーが突然鳴り出し、繰り返し聞こえると怖がっていました。

家族からは気のせいだと信じてもらえていなかったのですが、その部屋で従姉妹と一緒に勉強していて従姉妹がうたた寝したとき、私も聞いてしまったんですよね…。

3回くらいリピートしても止まらず、すごく鳥肌がたって、急いで従姉妹を起こして「あのメロディー!聞こえた!」と興奮したのを覚えています。

外からでも部屋の中でもなく…不思議な聞こえ方がしました。やはりこちらも、おひとりさま限定の体験型心霊現象だったようです。

また、従姉妹の家へ行き、チャイムを鳴らした後、わざと隠れたことがあります。

すると、玄関の隣にある1階の窓がスーッと開いてから閉まり(木で姿は見えなかった)、そのあとに2階から降りてきた従姉妹に「今私以外誰もいないよ?」と言われたのは、ゾクッとしましたね。その部屋、仏間だったし…。確かに開いたんですよ。

「見えた」ことはないので、それほど怖い目にはあっていません。

正確には、私が撮った写真に何度か、白い手や体育座りの子ども、笑う女性など、その場にはいなかったなにかが写っていたことがあり、写真越しになら見たことはあります。

まぁ人生に一度はそういうこともありますよね!これから先も直接は見えないままでいたい。と、これを書いていたらなんだか肩が重くなってきました。そして一度クラッシュして消えた…。こわい。

感想まとめ

残穢(ざんえ)住んではいけない部屋、久しぶりに面白い日本ホラーが楽しめました!

一人暮らしを今から始める方にはちょっと刺激が強いかも…。

経験上、「なにか」がいる部屋というのは、本能が気づくものなので、違和感がある部屋は条件が気に入っても、よく考えてからがいいかもしれません。

あと、エンドロールで吉兼家の菩提寺の住職がやらかしてしまっています!(笑)

「穢れ」はいつまで残り、どこまで広がり続けるのでしょうか。


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