石垣島は、沖縄本島よりさらに南西へ約410km離れた場所に位置する八重山諸島の中心地です。真っ青な珊瑚礁の海と白い砂浜、亜熱帯の森が広がる自然豊かな島で、私にとっては、20代の頃によくひとり旅で訪れた思い入れのある場所です。
短期滞在用のマンションを拠点に、レンタカーは借りず気ままに路線バスに乗って遠出をしたり、地元のスーパーで食材を買い、部屋で簡単な調理をして食べる気ままな滞在はとても楽しかったです。
マグロの味がする赤マンボウやカラフルな鯛のお刺身・海ぶどう・オニササ・スパムおにぎり・にんじんしりしりを肴に波照間島で買ってきた泡波を味わいつつ、部屋でひとり八重山の番組を観るのは最高でした。急に降り出した激しいスコールの雨音などを思い出すと懐かしく感じます。
当時、沖縄にハマって繰り返し訪れたくなる症状のことを指す沖縄病という言葉をよく耳にしました。
私自身も大阪・神戸の沖縄物産の専門店で頻繁に買い物をし、お客さんみんなで「オリオンビールの歌を歌って踊りながらごはんを食べるお店」に通うくらいは沖縄病でした(笑)
ただ、父方が沖縄ルーツなので、現地で暮らす大変な部分を聞いて育ったため、移住を考えることは全くありませんでした。住むのは大変だけど、南の島国にはなんともいえない魅力があります。
台湾も知ってからは不思議な引力でキラキラして見える、ときもあった、のかな?
仕事をして暮らすと旅行とは違い、無条件に大好き!とは言えなくなりますが、魅力的な国には違いありません。日本に仕事で来た外国人も同じことを感じているのでしょう。
今回はひとり旅を楽しむきっかけとなったコミックエッセイ作家たかぎなおこさんの書籍と、石垣島(+離島)ひとり旅について紹介します。
コミックエッセイ「ひとりたび1年生・2年生」がひとり旅のきっかけになった
石垣島へ旅行するきっかけになったのは、イラストレーター&コミックエッセイ作家のたかぎなおこさんの著書を読んだことです。久しぶりに読み返してみたら、やっぱりひとり旅って良いな~としみじみと思い出しました。
ひとりたび初心者のたかぎさんが勇気を出して国内の色々なところへ旅をした様子が「ひとりたび1年生」「ひとりたび2年生」にたくさん詰まっていて、とても読み応えがあります。
イラスト・字ともに可愛い漫画なので、飽きることなくあっという間に読めてしまう。
ダイビングCカード取得のため沖縄本島へ行った話は「ひとりたび1年生」に、石垣島・離島の話は「ひとりたび2年生」に載っています。
「本当にひとりたび初心者なのかな!?」と思うくらい充実していてすごいなぁと感じました。後に台湾へ行くようになってから、たかぎさんの著書を見つけ、少しずつ買い揃えています。
カバーを外したところにある隠れ4コマ漫画もしっかりあって嬉しい!台湾にファンも多いそうです。日本語版と中文版を見比べることができるので、中国語学習に興味のある人にもおすすめです。
「ひとりたび2年生」をガイドブックに、あとはネット検索に頼って初めて石垣島を旅行したときのことを一部抜粋してまとめました。
時期:2011年4月中旬~
短期滞在した石垣島のウィークリーマンション
有給休暇を利用した10日間の旅行で、まず波照間島で3泊してから予約していたウィークリーマンションへ向かいました。
このときに利用したのは、石垣島のカンセイホームが運営する登野城家(とのしろや)です。現在はマンスリー契約で1ヶ月98,300円+水道光熱費12,000円から利用可能になっているようです。
たかぎさんのようにマンションを借りたまま離島の竹富島へ泊まりで行ったりもしました。
それでもずっと石垣島内のホテルへ泊まるより割安で、必要な荷物だけ持って行けるのでとても快適に過ごせました。これぞのんびりと過ごせるひとり旅の醍醐味
もちろん、リゾート旅行を楽しみたい方、友達同士・カップル・ファミリーは送迎や各種サービスが充実したホテルのほうが使いやすいと思います。
部屋は広めのワンルームで、ベッドがふたつ、机、バスルーム、キッチン付きでとても綺麗でした。一通りの家具家電は揃っており、調理道具や食器もあったのでそれなりの自炊OK。
徒歩3分くらいの場所にタウンプラザかねひでという地元系のスーパーがあり、ここがまた面白い!色々な沖縄系食材を買って楽しみました。
以下、その一例です。
八重山そば
八重山そばは、お店でも食べましたが、せっかくなので部屋でも作ってみました。レトルトなので簡単!左下のにんにく味のものは、沖縄のかまぼこ。
八重山そばの袋にサバ缶やツナ缶と醤油などの調味料を入れて混ぜて作る「からそば」を肴に、泡盛の牛乳割りを飲むのが定番だったりします。
八重山そばはすでに加熱調理されているため、そのまま食べられます。
おかず (赤マンボウ刺身・海ぶどう・にゃっとう)
マグロに近い風味の赤マンボウのお刺身、海ぶどう、にゃっとう納豆。
海ぶどうは298円くらいだったのでお土産にもたくさん購入しました。ちなみに海ぶどうは、粒が縮んでしまうので冷蔵庫に入れるのはNGです。常温で持ち運べるのは良い◎
にゃっとうはネーミングに負けた。
お弁当
ジューシー(沖縄の炊き込みごはん)が油っぽすぎて食べきれなかった。。がっつりしたのを選んだ失敗。
外食 (石垣牛を食べた)
石垣牛も食べに行ったのですが、写真が残っているだけで全然覚えていません。たぶん美味しかったと思うのですが…(笑)
石垣島一周観光バスツアーに参加
本には載っていませんでしたが、口コミで「良いよ!」と聞いていたので申し込んでみたのが東(あずま)運輸株式会社が運行する定期観光バスでの石垣島一周観光ツアーです。
事前申し込み不要で、当日参加OKなのがポイントでした。おっちゃんガイドさんの三線生演奏付き!
この日、女ひとりで来ているのは私だけで、ツアーで一緒だった家族連れに「ひとりで!?」と驚かれました。今はひとり旅をする女性は不思議ではないので、驚かれることはないでしょうね。
記憶に残っているところを書き出していきます。
唐人墓
写真を見て台湾のお寺のような場所があったな、と思い出し調べてみたら悲しい歴史がありました。
1852年に起きたロバート・バウン号事件によって亡くなった唐人(中国人)128人を弔うために1971年に建てられたものです。 改修はその後数回行われています。
ー概要ー
アメリカの奴隷貿易船ロバート・バウン号は、中国 厦門(アモイ)で集めた400人の中国人(苦力 クーリーと呼ばれた労働者)を乗せ、カリフォルニアへ向かっていた。
しかし船内で酷い暴行を受けた中国人らは暴動を起こし、アメリカ人船長と船員ら7人を殺害。
船は台湾へ向かう途中で石垣島崎枝沖で座礁したため、380人が下船し島へ上陸。
八重山の蔵元(政庁)が仮小屋を設け住まわせたが、米英の船が3回にわたって来島、小屋を砲撃した。
上陸した武装兵は、山中へ逃げた中国人を追い、銃撃による攻撃(見せしめに100人以上を吊るし上げたとの記載も)・逮捕、自ら命を絶つ者や疫病で亡くなる者が続出した。
逮捕から免れた中国人を、琉球王朝と島民たちは食料などを援助し小屋へかくまい、翌年1853年9月琉球側が船二隻を用意し、生存者172人を中国へ送還した。
ガイドブックや案内の説明に書かれている上記の内容が間違いだという主張もあります。
奴隷的な労働を強いられる苦力だけではなく、知識階級の出稼ぎもあった、船は台湾と間違えて乗り上げた、米英側の砲撃は威嚇であり、犠牲者128人中、攻撃により亡くなったのは3名で、ほかは当時石垣島で流行していた疫病で帰国前に命を落としたのではないか、など研究者の間でも意見が食い違っているそうです。
事件の真相は分からないままですが、当時自分たちも疫病が蔓延し大変だったのにも関わらず、思いやって手助けをし、こちらの墓が建てられる前から亡くなった人を弔ってきた石垣島の人たちの優しさを感じました。
川平公園
あまり天気の良くない日だったのにも関わらず、感動するほど透き通っていて綺麗だった川平湾。
グラスボード乗船オプションがあったので、もちろん付けました。様々な種類の珊瑚を目にし、自然の美しさを実感。
ポーザーおばさんの食卓
昼食が想像以上に豪華!料金はツアーに含まれています。
メインのハンバーグ、サラダ、八重山そば、赤マンボウのお刺身など。左上の小皿に乗っているのは、沖縄の豚肉みそ。お土産として販売もされていました。
午後から出発の半日コースだとランチではなく、ティータイムとして寄るそうです。
帰り道「別にいいです~」と言ったけど、ガイドのおっちゃんに「せっかく来たんだから!」と半ば強引にひとりの記念写真を撮ってもらいました。
ひとりだけだとなんだか寂しいので、その後にガイドのおっちゃんとのツーショット写真をバスの運転手さんにお願いして記念に撮ってもらいました。
ほかに、ヤシ原生林へも下車観光がありました。ガイドのおっちゃんの三線演奏は今でも良かったな~と感じるのでまた乗ってみたいです!
この日の夜、沖縄ベストソングコレクションなどのアルバムをiTunesで購入。安里屋ユンタが特に好きな曲です。
お気に入りになったおすすめドリンク
マリヤシェイク
港の離島ターミナル内のお店七人本舗の名物。味は子ども向けから大人向けまで。こちらはもちろん大人向けの泡盛フレーバー!一度飲むとクセになります。
ゲンキクール
八重山地方オンリーの飲み物らしいと聞いてほぼ毎日飲んでいました。離島の売店にもあったよ!ヤクルト系の乳酸菌飲料でこちらもクセになる味です。
オリジナルシーサー作り
行きたいところがなくなったので、ネット検索で見つけた工房へ電話をかけて前日に予約。急きょシーサー作り体験をしました。
とっても個性的なシーサーが作れます!
思いの外、自分に似たブチャイクさに仕上がり気に入りました。
みんさー工芸館も勧められましたが、不器用がひとりで行く勇気が出ず。誰かが織っているところを見学したいです。
バスに乗って北部にある「糸数商店 」へ
さだおばぁの島ラー油が買いたくてバスに乗り行きました!残念ながら、このときはさだおばぁは不在でした。
ラー油や油味噌、スターフルーツなど色々購入して宅配便で家へ送りました。
今、ラー油は通販もしてる…!
ここからマンションまでバスで戻ろうと思って道を歩いている途中、パイナップル屋さんに声をかけられました。バスが通り掛かるまで、お店のおっちゃんと色々会話。
沖縄のバスにはフリー区間があって、手をあげたらどこでも止まってくれるし、降りることもできるんです。
無料でパイナップルをいっぱい食べさせてくれました。まだ4月だから少し酸っぱかったけど美味しかったです。おっちゃんは「気を遣わなくていいよ~」と言っていたけど、あとで数個買いました。
そのお店のすぐ隣は、明石家さんまさんが主演の映画「さとうきび畑」のロケ地のひとつだったそうです。
まとめ|石垣島で購入したお土産の多さ…
このときのひとり旅で購入したお土産がこちら。
母親がお土産をたくさん買っておすそ分けをするというのが好きな人だったので、私にもそれが受けつがれたようです。しかし、いくらなんでも多すぎですね。今はもうこんなに買うことはありません。節度を覚えました…(笑)
たかぎなおこさんの著書が好き
元々、たかぎなおこさんのファンで、特にひとりぐらしのシリーズは、自分が一人暮らしをしたときにも共感できるところが多く愛読していました。
今はKindleなどの電子書籍でも購入できるのが嬉しいです。
「浮き草デイズ」は夢を追いかけているけれど上手くいかなくて悩んでいる人に読んでもらいたい本。1と2があります。
今は成功しているたかぎさんも、たくさん悩んだり落ち込んだりした期間があったのかと励まされる気持ちになりました。
ひとりたび2年生 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)