美保神社は、ゑびす神(事代主神)を祀る全国3385社のえびす神社の総本宮です。古くから商売繁盛や海上安全・漁業の神さまとして信仰を集めてきました。
出雲大社の主祭神 大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)と、美保神社の御祭神 事代主神(ことしろぬしのかみ)は親子、三穂津姫命(みほつひめのみこと)は夫婦という繋がりがあります。
そのため、出雲大社と美保神社の両方に参拝することは両参りと呼ばれさらに縁結びのご利益をいただけるといわれています!
大国主大神は出雲のだいこく様、事代主神はえびす様と呼ばれており、商売繁盛・仕事運アップ効果を願う人が多いのも頷けます。
ただ、混同してしまいそうになりますが、大国主大神と七福神の中の「大黒天」は正確には別の神様です。七福神の中で、日本由来の神はえびす様だけ。
兵庫県の西宮神社では、毎年1月9日からの3日間、えびす祭り(十日戎)が行われ、福男・福娘・福笹が有名です。
西宮神社もえびす宮の総本社。関西出身の方からすると、「えべっさんってふたりいるの…!?」と初耳で驚く人が多いのではないでしょうか。
実はえびす神は2柱いらっしゃり、美保神社は事代主神系、西宮神社は蛭子(ひるこ)神系。兵庫県の隣、大阪の今宮戎神社は事代主神の系統です。
蛭子神はイザナギとイザナミの子ですが、不具の子だったため流されてしまった…とされています。
私も美保神社へ参拝する直前にこのことを知りとても興味深く勉強になりました。
西宮神社と今宮戎神社は、全然雰囲気が違うなと感じていたんです。地域差ということも言えそうだけど。
今回は美保神社へ参拝した感想、参拝後の変化、御利益や御祭神、必見のお守り・御朱印についてまとめました。
1日2度の神さまへの巫女舞の奉納時間を狙って行ったので、そちらについても書きました。
美保神社へのアクセス
美保神社へは、自家用車・レンタカーを運転して行く方法、路線バスと町民バスを乗り継いで行く方法があります。バスは、JR松江駅・JR境港駅のどちらかから。
えびすライナーという期間限定のバスも運行しています。
私たちはJR松江駅から路線バスを利用しました。平日より土・日・祝日の便数が少ないので、週末に訪れる際にはよくご確認を。
遠方から島根旅行に訪れ、レンタカーなしの場合はこちらの手段になります。
また、ツアーの団体客も何組かいらしていたので、バスツアーもあるのでしょう。
自分のペースで回れないので、美保神社を目的として訪れるのならやはり自由旅行がおすすめです。
参拝後、数日間夢にまで出てくるくらい素敵な神社で、両参りで巡った島根県(出雲・松江)も大好きになりました。
地図・基本情報
住所:島根県松江市美保関町美保関608
美保神社|御利益と御祭神
目の前には海が広がる静かな神社です。
三穂津姫命 (みほつひめのみこと)
ご利益:五穀豊穣・夫婦和合・安産・子孫繁栄
創造の神さま 高皇産霊命(たかみむすびのみこと)の娘で、出雲大社の主祭神 大国主大神との関係はご夫婦です。大国主が国譲りを決めた後に結ばれた最期の妻とされています。
神様たちが住む高天原(たかまのはら)から、手に稲穂を持って降りてこられ、人々に食糧として配り広めました。
「みほつひめ」はミホのヒメという意味が含まれ、神様のお名前と美保という字には縁があると伝えられています。
事代主神 (ことしろぬしのかみ)
ご利益:商売繁盛・海上安全・大漁満足
出雲大社の主祭神との関係は親子で、大国主大神と神屋楯比売 (かむやたてひめ)との間の第一の息子。
手に大きな鯛と釣り竿を持ったえびす様として知られており、商売繁盛や海上安全で信仰が篤い神さまです。
釣りが大好きな神様で、美保の岬でよく釣りを楽しんでいらっしゃったそうです。
神話|国譲り
昔々、出雲の国は大国主大神が治めていました。
しかし、神々の住む高天原を治めていた天照大神(あまてらすおおみかみ)は、「この国は我が子が統治すべき」として「地上の神々を服従させなさい」と使者を遣わします。
が、使者は大国主大神を尊敬して家来になったり、屋敷に居ついてしまったりして帰ってきません。そのため力自慢の使者を送り武力行使にでます。
稲佐の浜に降り立った、建御雷神(たけみかづちのかみ)は、剣を逆さまにして柄を下にして突き立て、その剣の切っ先の上にあぐらを組んで座り、大国主大神に国を譲るよう強い口調でせまります。
大国主大神は「私の一存では答えられません。息子の事代主神がお答えします」と、神官の事代主神に判断をゆだねました。
建御雷神(たけみかづちのかみ)に「汝はどう思う」と問われた事代主神は、すぐさま「承知しました。天照大神のお子さまにさしあげましょう」と決断し、天の逆手を打って海に身を隠してしまいました。
事代主神の弟 建御名方神(たけみなかたのかみ)は抵抗し、「俺と力比べで勝負だ!」と建御雷神に挑んだ結果、力及ばず負けてしまったんですけどね…。このときの戦いが相撲の起源であるといわれています。
やり方は違っても、兄弟ともに穏やかな出雲の国を守りたかったのだと思います。
実際に体感したご利益はある?
こちらは二の鳥居をくぐったところの狛犬。目力がすさまじかった。
夫の転職が成功しました。元々、不思議なほど面接が得意なタイプで落ちることはないものの、入ってみると実はブラック会社ということが多く、それなりに苦労してきています。
反対してもきかないし、私から言わせると見る目がない。
というわけで、今の会社は私がたまたま見つけて応募してみるように勧めました。すると3回の面接予定が1回でスピード内定。ちなみにここまで1週間!
入社後も残業は上の人を含めてほとんどなく、有給は全員消化、ボーナスあり、嫌味な人さえひとりもいない、今どき珍しいくらいのホワイトさだったよう。
離職率が低く正社員はめったに募集をかけていなかったらしいです。
私に対してはけっこう愚痴るタイプですが「仕事行きたくない」とまだ一度も口にしていません。
国譲りの神話からも分かるように、事代主神(えびす様)は決断力があって即決定!という神さまなので手助けしてくださった、のかもしれません。これから先も安泰なことを祈りたい。
私は精神的な安定と、お金と仕事の面でちょっと良いことがたくさん起きています。
ふたりでもっと稼いでいつか豪華客船の旅を世界10周分くらいできたらいいな。深夜のジャパネットたかたの特集で目にしてうっとり。
あとは…夫が買ったロト6(ふたりの誕生日・結婚記念日の数字)が4等で、8,900円入ってきました。
「出雲大社と美保神社にまたお礼参り行かないとね」とふたりで話しています( *´艸`)
美保神社|神門・拝殿と本殿
神門
注連縄がとても印象的です。
拝殿・本殿
壁がなく、ものすごく開放的な拝殿は初めて目にしました。ご祈祷や巫女舞(朝御饌祭・ 夕御饌祭)はこちらで行われています。
美保関に自生する松の木で建てられたという貴重な御本殿。「美保造」と呼ばれ、全国で唯一といわれる神社様式です。
美保神社本殿は、1813年に再建してから200年を迎え、現在は「平成の大造営」として御本殿・拝殿・附属社殿等の造営事業が行われています。
1998年に御本殿の解体修理・遷宮が行われましたが、まだ境外末社や附属施設の多くは手付かずのままで、雨もりなどで神事に支障がでているそうです。
平成はもうすぐ終わってしまいますが、ご寄進が集まって早く完遂すると良いですね。
巫女舞 (朝御饌祭・ 夕御饌祭)の時間
- 朝御饌祭 (あさみけさい)…8:30~
- 夕御饌祭 (ゆうみけさい)…15:30~
拝殿外から自由に拝観することができます。
御祭神へのお供え物を奉納する儀式で、毎日執り行われています。
神楽の演奏に合わせて巫女さんが舞う、とても美しい光景でした。日によって巫女さんが2人のときもあるそうです。
また、私たちが訪れた日は、夕御饌祭の前に参拝者の方のご祈祷が行われ、そちらでも巫女舞が奉納されていました。
美保神社|福種銭 (ふくたねせん)
美保神社で有名なのがこちらの福種銭。拝殿の脇に置かれた箱にあります。
ご祈祷された10円玉(福の種)が包まれています。
自身のお金と一緒に買い物などで使うことで福の種をまき、巡り巡って大きな実りとして自分のもとへと還ってくると信仰されています。
50円以上を納めてひとついただきました。私も夫もまだ「なんかもったいないよね~」とまだ使っていません。いつ使おうか、やっぱり特別なときがいいのかなと考えていると使いづらくて(笑)
神社のお賽銭にするよりも、ふだんの買い物や遊びで使うのが良いそうなので近いうちに「福の種」蒔いてみます!
美保神社|鯛絵馬とお守り
御祭神の事代主神こと、えびす様は手に鯛を、三穂津姫命は稲穂を持っていらっしゃるということから、そちらを取り入れたデザインが特徴です。
鯛絵馬 1,000円
絵馬は、本殿の脇にある絵馬掛けに釣り竿でつるして奉納します。お願いごとを釣り上げるという意味が込められているそうですよ。
ほかにはない感じで面白いなと思いました。
鯛絵馬、お守り、お札、御朱印はこちらで授かります。
毎月7日えびす祭りの際には、特別な30体限定のお守り「金色の鯛守」(24金)や金の墨汁で記された御朱印(専用用紙)が授かれます。
昇運鯛守 1,000円
稲穂をくわえた姿がとても可愛く、運がどんどん上昇していきそうなめでたいお守りです。 お財布に入れていつも持ち歩いています
美保神社|御朱印帳にひとめぼれ
淡い色調で上品な和を感じる御朱印帳。こちらも鯛が稲穂をくわえた象徴的なデザインです。
御朱印はお願いしたいと思っていましたが、御朱印帳を購入する予定はありませんでした。でもこちらは、もう目にした瞬間からお気に入りになってしまいました。
初めのページには、美保神社のご由緒・ご祭神について書かれています。
御朱印は今年になって頂くようになりました。それまではあまり積極的ではなかったのですが、神社側も歓迎しているということで集めることに。
参拝の記録として残るというのは嬉しい気持ちになりますね!昨今の御朱印ブームの理由が分かるような気がしました。
美保関おかげの井戸
美保神社の鳥居の近くにある井戸です。ひとつ前の記事に書いた「初代関の五本松」が展示されている無料休憩所の前に位置しています。
説明書きの内容
その昔、長い干ばつが続いたためにどの井戸も干上がってしまい、民衆は暮らしに困窮していました。
そこで、時の宮司が美保大明神に雨乞いをしたところ、お告げがあり、この場所を掘ってみたところ、こんこんと水が湧き出てきて、人々は難を逃れたと言われています。
あまりのありがたさに「おかげの井戸」と名付けられました。
掘削(くっさく)には当地区の廻船問屋はもちろんのこと、廻船の用水として欠かせなかった諸国の北前船の船頭や船主も浄財を寄進しました。
そのときの記録が美保神社に残されています。
平成十九年には、美保関灯台とともに文化庁の登録有形文化財になりました。
青石畳通り
美保神社から仏谷寺へいたる石畳の通りです。
雨が降ると、石畳が青みがかることからこの名前が付いたそうです。かつては青石畳通りが本通りで、参拝客のための旅館や土産物屋で賑わっていました。
提灯の文字「萬来深謝」は中国語、はたまた四文字熟語風の造語?台湾の中国語では聞いたことがない。
裏には「だんだん」と、島根県の方言でありがとうが書かれているので伝えたい意味は分かります。
今回は周辺を散策する時間が取れなかったので、今度はもっとゆっくり周りたいです。
美保関の海。前日には雨が降り、不安定なお天気でも美しい写真が撮れました。
今でもこちらの海の裏側で、えびす様が釣りをしているのかもしれないなぁと神話と景色に思いを馳せながら帰路に着きました。
旅行から帰ってから、ムック本を購入しました。なかなか良かった一冊!
大成功を呼ぶ「最強の開運神社」 (神域音と祝詞のCD付録70分! カードつき)
付録の「神域音と祝詞」CDには、美保神社の神域音も7種類収録されています。巫女舞の際の神楽音も含まれており、とっても落ち着いた気持ちになります。