篤行十村は日本統治時代に軍司令部と宿舎があった場所で、戦後は澎湖防衛司令部の外省人用宿舍でした。台湾で最も早くつくられた眷村(外省人居住地区)といわれています。
数年前までは廃村を改修工事中で、記念館以外はほとんど廃墟でした。それが文化創造区(文創區)として、やけにお洒落に可愛く生まれ変わってびっくり!
民宿をはじめ、駄菓子屋さん、フルーツティーのお店、串カツ屋さんなどが入っています。
台湾では有名な澎湖出身の男性歌手「張雨生」の記念館があり、同じく男性歌手の「潘安邦」の生家があった場所でもあります。
この雰囲気を活かして手づくり市などのイベントが行われることもあります。こちらはクリスマスの時期の様子
廃墟マニアとまではいかなくても、廃墟の映像を見たりするのは好きなほうです。リノベーション前もたまに散策していたので、そのときの写真をちらっと載せました。
まだ廃村の面影が残っているところもあり、整備はされていても静かな落ち着いたスポットです。
「篤行十村」の場所|アクセス
住所:澎湖縣馬公市新復路二巷22
観音亭(レインボーブリッジ)からも近いので行きやすい観光スポットです。馬公の中心部からここまで徒歩でも散策できます。
湘東商行|やけにお洒落な駄菓子屋さん
まず入ったところには駄菓子屋さんがあります。雑貨屋さんかと思って入ったら、駄菓子屋さんでした。
スタッフのお姉さんに、写真を撮っても良いか尋ねると「どうぞたくさん撮ってください~」とのことだったので、ゆっくり見て回りました。
台湾好きにはおなじみ!?大同寶寶(ダートンバオバオ)のミニチュアがたくさん飾ってあり、できれば私はこちらが買いたかったです。昔の大同寶寶はうちに2体います(笑)
地下もあるので階段を降ります。
すべてピカピカに改装するのではなく一定の古さを残してあり、新しさとうまい具合に融合しています。
地下の赤いバイクのところは映えそうな写真スポット。
こうして見て回っていると、昔ながらの駄菓子屋風記念館みたいに思えてくるのですが、けっこう商品の種類は豊富でしっかりと販売されています。
価格は安いわけではないので、買う人いるのかな?と一瞬思ったりもしましたが、レジでお会計している人もわりといました。
親指と人指し指でひねりクルクルと飛ばして遊ぶ「ゆびでコプター」など、懐かしいおもちゃも揃っています。
子どもはもちろん、大人でも童心に帰った気持ちでしばし楽しめるのではないでしょうか。
小貳.two|フルーツティーのお店
外壁からお洒落な空気感漂うお店です。
観光客がよく写真を撮っていました。
価格帯は30〜60元ほどで美味しいアイスフルーツティーが楽しめます
可愛いジップロックに入ったフルーツティーです。袋裝飲料(ドリンクバッグ)というらしく、瓶の次は袋が流行りなのかと思いました。
車のコーヒーショップ
こちらのペールブルー色の車ではコーヒーが販売されています。
串好|串カツ屋さん
沖縄を意識している串カツのお店。澎湖人の友達がけっこう気に入ってよく食べに行っていました。
「ねこまんまごはん」などの不可思議メニューもあって面白かったです。
貳拾貳隱巷文創旅宿 (22ALLEYS)|民宿
篤行十村には民宿もあります。外のギターを模したオブジェや椅子のインテリアの色合いが可愛く、ここで写真を撮っている観光客も多いです。
澎湖空港から民宿までの無料送迎あり。馬公市中心部にも近いので比較的交通の便も良いです。繁華街と少し離れているためとても静か。
入り口から入ったフロント脇では、鳳梨酥(パイナップルケーキ)や干貝醬などが販売されていました。
リノベーションしたばかりで新しく綺麗なので、快適に過ごせると思います。
価格を見てみる貳拾貳隱巷文創旅宿 22ALLEYS
澎湖出身の歌手 張雨生と潘安邦
張雨生はハイトーンボイスが特徴の男性歌手でした。台湾のポップスシンガー張惠妹(アーメイ)のプロデューサーとして有名です。
1997年に自動車事故によって31歳という若さでこの世を去りました。篤行十村内に記念館があります。
潘安邦は篤行十村の出身の男性歌手です。2013年に病気により58歳で亡くなっています。
「外婆的澎湖灣」というデビュー曲がとても有名です。頭に残るメロディーなので何度も聴いているうちにけっこう覚えてしまいました。
「おばあちゃんの澎湖湾」という意味で、潘安邦が大好きなおばあちゃんと過ごした幼年期の記憶にインスピレーションを受け、同い年のシンガーソングライターの葉佳修が書き上げた曲です。
YouTubeでも聴けますし、澎湖ならレインボーブリッジ(西瀛虹橋)のある観音亭のところで白いスーツ姿でキメた、とても歌の上手なおじさまが豪華なカラオケセット持参で歌っていることもあります。
日本の演歌の中国語バージョンもレパートリーが豊富でした。澎湖は裕福な家庭が多いので「お金持ちの人の趣味かな?」と思いつつ謎です。
リノベーション前の篤行十村と美食街
隅々までは散策していませんでしたが、廃村らしい独特な雰囲気がありました。
沖縄の島の家屋を連想させる平屋のつくりです。
長年誰も住んでいないにしては保存状態は良いほうかもしれません。
また、篤行十村の向かい側の莒光村(澎湖莒光村隱藏版異國美食街)は2014年頃に整備され、小さな食堂やパン屋さんがちらほら入っていました。
しかし、あまりお客さんが来ない地域だったためか、けっこうすぐに空き家だらけになってしまいました。篤行十村オープンに合わせたら良かったのになと思います。
羽付きの鍋貼(焼き餃子)
薄皮のパリッとした食感の焼き餃子でした。
餃子の王将で餃子を注文すると店員さんが「ゴーテー」とオーダーを通していますが、あれは鍋貼(グオティエ)という中国語の発音から取っています。
うどんの涼麺
特に、うどんの涼麺(冷たい麺)のお店がお気に入りでよく食べに行っていました。しかし、馬公市中心部に店を移したもののいつの間にか閉店…。
今は新北市板橋区(台北のほう)にお引越ししてしまったようです。澎湖時代は台湾の旅行グルメ番組でも紹介されていました。
篤行十村まとめ
- 篤行十村は元外省人居住地区
- 台湾でもっとも早くつくられた眷村
- 文化創造区(文創區)としてリノベーションされている
- ここの民宿に泊まりたい
澎湖の文創區としてこれからも営業が続くと良いなと願います。