台湾の離島、澎湖(ポンフー)には、昔から愛飲されている風茹茶(フォンルーチャー)があります。澎湖茶とも呼ばれて親しまれているハーブティーです。
風茹茶のもととなるのが澎湖諸島原産のセリバノセンダングサというキク科のハーブです。根から掘り起こして収穫し、洗浄後天日干ししたものを煮出してお茶として飲用します。
漢方薬としても使われると聞いて、美容効果のありそうなものも作ってみたいな~と思い、石けんをハーブの収穫から行い自分で作ってみました
日本に風茹草を持って帰るのは検疫でも通らなさそうなので澎湖で!
石けんは、日本の手作り石けん教室で作り方を学びました。自宅でも作れます。しかし、まさか澎湖でハーブを摘むところから石けんを作るとは自分でも思っていなかったです(笑)
道具もなにひとつ持参してこなかったので、ほとんどを台湾と澎湖で揃えました。
澎湖では風茹草を摘むほかに、釣りをしたり貝を拾ったり、澎湖文石というハンコなどの原料に使われる貴重な石を探したり自然の遊びもそれなりに楽しみました
澎湖で手作りを石けんを作るために道具を準備
- ボウル(※アルミや鉄は )
- 温度計2本
- 計量カップ
- 泡だて器
- ゴムベラ
- スプーン
- モールド(石けんを流し込む型)
- 包丁(石けんをカットする専用道具があれば便利)
- 木枠(石けんの乾燥用)
- ゴム手袋・保護用ゴーグル・マスク
- リトマス試験紙
最低限必要な基本道具と澎湖では手に入りにくいオイルは石けん作りの通販サイト香草工房 AromaGreens で注文して台湾本島から取り寄せました。
苛性ソーダはさすがの台湾でも航空便にはのせられない薬品なので離島配送は不可。澎湖の五金行(台湾版ホームセンター)で買いました。
ふつうは失敗しませんが、念のためリトマス紙も準備しました。
過去にはとある市販品のお茶せっけんが問題になりましたが、自分で作れば安心ですね。 お店では買えない質の良いオリジナル石けんが作れるのが魅力です。
しっかりとしたモールド(型)は高くて買えなかったので、紙のものを使いました。
手作り澎湖茶石けんの材料
- 風茹草
- オリーブオイル
- 苦茶オイル
- ココナッツオイル
- パームオイル
- 苛性ソーダ
- 精製水
- 大量の氷(苛性ソーダ水溶液を冷ます用)
- お湯(オイルを湯煎する用)
風茹草インフューズドオイル
インフューズドオイルは、ハーブをオイルに漬けた抽出油です。ガラス瓶などの密閉容器にハーブを入れてオイルを注いで抽出します。
まず天日干しで乾燥させた風茹草をオリーブオイルに1ヶ月近く漬け込み、インフューズドオイルを作りました。色と香りがオイルにたっぷりと染みています。
ザルで濾してから使います
コールドプロセス製法で石けん作り
- 苛性ソーダを容器かビニール袋へ入れて計る。
- ボウルにオイルを計りながら入れていく。
- 精製水を計量カップに入れて計り、苛性ソーダを加える。スプーンでゆっくりとかき混ぜて溶かす。蒸気とやけどに注意
- 苛性ソーダ水溶液に温度計を入れて、40℃になるまで氷水につけて下げる。
- オイルをサラサラになるまでかき混ぜながら、湯煎で40℃まで上げる。
- オイルの入ったボウルへ苛性ソーダ水溶液を少しずつ注ぐ。
- 15分間手を休めずに泡だて器で混ぜ続ける。
- トロミが出て白っぽくなるまで混ぜたら、ゴムベラを使いモールドへ流し込む。
- バスタオルなどでくるんで保温し、1日寝かせる。
- きれいに固まったらモールドから外してカットし、約1ヶ月間乾燥させる。
手づくり石けんと聞くとほのぼのとした趣味のように感じますが、実態は科学の実験です。
怖がる必要はないですが「お菓子を作ろう
」みたいな感覚では手を出さないほうが良いと思います。材料には、劇物指定の水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)が含まれるので、ふだんはおおざっぱな私も、計量・温度・時間には注意し、かなり慎重に作りました。
また、苛性ソーダの処分は大変なので、大量に作る覚悟がある場合にだけ購入しましょう。日本でなら1回3000円~の教室に作りに行くのが一番おすすめです
白っぽくなるまで混ぜたオイルはこんな感じ
台湾ではハンドミキサーがなぜかやたらと高かったので買わず、頑張って手で混ぜました。軽く1時間以上かかります…(笑)
手作り澎湖茶石けんの感想
初めて長方形の紙製モールド(型)を使ったので、形が綺麗にできなかったのが少し残念ポイントです。丸形のほうが綺麗にできるので、チップスターの空き箱があれば良かったな~!
石けんとしての仕上がりは、なかなか良い使用感です。香りもほのかに風茹茶でした
手づくり石けんを使うと潤い力に感動して、市販の石けんや洗顔料が使えなくなるという愛用者も多いです。
台湾では手作り石けんのレシピ本を1冊買いました。台湾ビールの石けんなどのレシピが載っています。
澎湖茶(風茹茶)の風味や、販売している場所、収穫した様子などはこちらの記事にまとめています。