20代の頃、沖縄が大好きで有給を取ってはよくひとり旅へ出かけていました。
昔から「暮らすように旅をする」というのに惹かれ、今でも放浪癖が抜けません。
といってもインドア派のため、どこへ行ってもカフェや室内で過ごすのが一番好きなのは変わらず。南国ののんびりとした雰囲気には癒されます。
沖縄本島→本島から近い離島→石垣島→さらに離島…と進み、最終的に台湾本土の西に位置する離島、澎湖(ポンフー)へひとり旅をするようになりました。
日本と台湾の南の離島
台湾の澎湖島は、離島ということもあり、石垣島や波照間島に雰囲気がどことなく似ています。私も半分沖縄ルーツなのでふとしたときに、沖縄の空気を感じます。
澎湖名産品の黒糖ケーキも沖縄の人が伝承したものとか。
謎に包まれた海底遺跡もあるため、記録に記されていない歴史の中にもひっそりとつながりがあるのかもしれないですね。
どちらも道端でよくネコが寝転んでいます。
澎湖は海外とはいえ凶悪犯罪はほとんど起きたことがないといわれているくらい治安は良好です。犯罪ゼロではないものの、警察も一日中パトカーで島を巡回しています。
初めて波照間島へ旅行したときの旅行記(2011年4月)と、そのあとに旅をした澎湖島のことをまとめました。
日本沖縄の離島「波照間島」の雰囲気
波照間島は有人島としては日本最南端。ビーチの美しさはもちろん、南十字星が観測できる離島として、沖縄やひとり旅が好きな人々にも愛されている島です。
離島なので、行くまでは少し大変です。石垣島からとてもよく揺れる船で約1時間かかります。酔い止め必須です。波の状態により、船が欠航になってしまうこともあり得ます。
南十字星の観測ツアー
夜、民宿の方が星空観測タワーへ連れて行ってくれました。ほかの宿の方達も同じ時間に集まってくるので、島の情報交換をしたり、交流が広がって楽しかったです。
ただ、残念なことに私が滞在した日は、月が綺麗な夜すぎて、南十字星には出会えず…。
スタッフの方が「新月で晴れている日がベストなので、次回はぜひ調べて来てくださいね!」と教えてくれました。新月以外は運が関係してきますね〜
希望者には、スタッフの方が写真をメールに添付して送ってくれました。
えっと…どれが南十字星だったっけ。観測タワーの左横かな?
南十字星は観測できませんでしたが、土星の輪っかや月を観たり、屋内のプラネタリウムを楽しんだり盛りだくさんの内容でした。
風力発電の風車が回る景色
平坦な離島は、風を遮るものがないため、風力発電に適しています。勢いよくグルングルン回るわけではないので、音は人間にはほとんど聞こえないくらい静かです。
牛の放牧風景
黒毛和牛…いえ、牛さんがのんびりと放牧されています。
南の島の風がとても心地良く、自転車や原付で一周するのがおすすめです。
島のつながる道
宿泊していた宿の自転車を借りて、波照間島をぐるっと一周!どこか懐かしいな~と感じる一本道が続きます。
ずっと頭の中で、森山良子さんのサトウキビ畑の唄が「ざわわ〜ざわわ〜ざわわ〜」とエンドレスで流れていました。そんな風景に疲れもどこかへ飛んでいきます。
幻の泡盛「泡波」
ここでしか作っていない幻の泡盛(と呼ばれている)がお店や民宿で飲めます。
島の売店にもお土産用ミニチュアサイズがあって可愛いです。実はまだ家にあと2本だけ置いてあります。
台湾の離島「澎湖島」の雰囲気
澎湖へは、台湾に到着後、台湾国内線の飛行機で向かいます。台北の松山空港から約50分、高雄空港からは約35分。離島といえど、けっこう行きやすい場所です。
ハワイと緯度がほぼ同じということで「台湾のハワイ」 と澎湖県の観光局がキャッチフレーズを付けています。
「ハワイ…?」と疑問に思うところはありますが、ハワイより素晴らしい!と感じる日本人もいるようです。ただ、澎湖にハワイのようなリゾート感を求めると、少しがっかりするかもしれません。どちらかというと美しい漁村です。
交通手段が不便すぎるのが大きなデメリットだと感じます。そこをどうにかできれば、もっと観光資源面での発展が臨めるはず。
澎湖島の風力発電の風車
積極的に風力発電を推進してきたので、たくさん設置されています。
中屯風車は真下まで近づくことができます。大きいので迫力がありますが、音はほとんどしません。記念撮影するのにはぴったりの場所です。
こちらは湖西の風車。
澎湖のモーセの海割りを渡りながら、眺めた景色です。
牛のいる景色
山水ビーチの近くで。やっぱりのんびりと草を食べています。 澎湖では黒毛の牛は見かけませんでしたね。
青灣仙人掌公園(サボテン公園)
澎湖観光局発行のパンフレットでやけに推しているのにものすごくイマイチな観光スポット。2014年のまだ完成前、無料で入れるときに行きました。
そんなサボテン公園の中で出会った散歩中の黒いわんこ。 何度もふりかえってきて可愛かった。
澎湖島のレインボーブリッジ
花火大会の会場ともなる観音亭のレインボーブリッジは、綺麗な夕陽や夕焼けが見られる場所でもあります。
ビーチ
海ももちろん綺麗! ほかにも、波照間島のニシ浜のようなクリームソーダ色(波照間ブルー)に近いビーチや観光スポットもあります。ただやはり波照間ブルーを超える綺麗なビーチはないです。
澎湖とサボテン
日本の波照間島と違う景観は、1645年にオランダから持ち込まれたというサボテンがそこら中に自生しているということです。
今では島の名物のひとつです。島の気候にかなり適していたんですね。
こちらのサボテン、澎湖の人たちは眺めるだけではなく、もちろんしっかりと活用しています。一番有名で人気なのが、サボテンアイスやサボテンかき氷といったスイーツ!
ほかに、トロピカルな風味が楽しめるサボテンの果実チャーハン(!)などの料理を提供する飲食店もあります。
野生そのままのサボテンの実は酸っぱいです。皮をむくと指がピンク色に染まります。
また、澎湖島はほとんどの岩質が「玄武岩」でできています。もちろんこちらも澎湖の人たちは有効活用!
ハンコやキーホルダーなどに加工されてお土産として販売されています。
澎湖の定番観光スポット
地下鉄などはもちろんなく、バスの本数も少ないため、レンタルバイク(スクーター)を利用する人が多いです。
澎湖は波照間島より都会
どちらも離島ですが、澎湖島のほうが大きく田舎とはいえけっこう栄えています。見どころもたくさんあるので、人によっては1年くらい暮らしても飽きないかもしれません。
波照間島は日が暮れると真っ暗になるので外出禁止と言われましたが、澎湖島は街灯もあり、どこへ行ってもそれなりに明るいです。夜中に星を観に行くこともできます。
さらに港から船で離島へ行くのも観光の定番。
本島を観光していても田舎道で度々波照間島を思い出したので波照間島をあげましたが、船で離島へ行くというあたり澎湖本島自体は石垣島に似ているといったほうが正しいかもしれません。石敢當もあります。
番外①|澎湖で長期滞在するのに最適な時期は夏季
もし暮らしてみたい場合は、4月〜9月の半年間の滞在がちょうど良いでしょう。それ以外の季節は、どんより曇っているか台風のような強風の日々が多くなります。
晴れているときは嘘のように穏やかなのでそういう日が多い年に当たればラッキーです。
日本人はノービザで90日間台湾に滞在できるので、その期間が過ぎる前にいったん日本へ帰国するか海外に出国すると、再び90日間滞在できます。
あまりにも多く繰り返すともしかしたら怪しまれる可能性はあるかもしれませんが、よっぽどでないと実際に問題となることはないでしょう。現状は5年くらいはいけそうな気がします。
ただ、ある程度の資金があれば、ビザの問題はどうにかなりますし、それなりの出会いもあるのに、3年以上いてノービザというのは珍しいです。
ビザラン自体も、法律に触れなくとも合法滞在ではない(台湾政府の見解)ので、これから先の未来にはタイのように厳しくなることもあり得るかもしれません。
番外②|澎湖で外国人は働けるのか
台湾の法律上、労働収入を得るのはビザがないと厳しいと思ったほうがいいです。
正式な仕事だと、日本人には高いお給料を支払わないといけないと決まっているので、仕事自体少ない離島において、なかなかふつうのスキルでは就労ビザを取らせてまで雇ってくれる会社はないでしょう。
澎湖に住む台湾人と結婚しているか、中国語がある程度話せてワーキングホリデービザ等を元々持っているのならまだ見つかる可能性はあります。
しかし、コネやツテがあればなんとかなるのも台湾なので、ありえないというわけではないと思います。私もコネコネツテツテしようかな ♪ ←
ただし、就労可能なビザがない場合無償でも届け出なしの就労は基本的に禁止されているのでご注意ください。
見逃されていると思って安心していたら、突然監査が入って罰金&強制送還という例もあるそうです。
台湾の法律の日本語訳
外国人が台湾で就業する場合、有償または無償にかかわらず、原則労働部に許可申請が必要。外国人が就業可能な職種は次のとおり。
〔就業服務法第46条〕
- 専門性または技術性を有する職業
- 政府の認可を受けて出資または設立する事業の主管者
- 次の学校の教師
a.公立または公認の私立短期大学以上の学校または外国人学校の教師
b.公立または公認の私立高等学校以下の学校の外国語教師の免許をもつ教師
c.公立または公認の私立実験高等学校のバイリンガル部またはバイリンガル学校の学科教師- 補習教育法に基づく公認の短期補習クラスの専任外国語教師
- スポーツコーチおよび選手
- 宗教、芸術、および演芸に関する職業
- 商船、作業船およびその他交通部から特別許可を得た船舶の船員
- 海洋漁労の労働
- 家政および看護の労働
- 台湾の重大建設プロジェクトや経済社会の発展に必要であり、中央主管機関が指定する職業
- その他特殊な性質により、外国人の雇用が必要であり、中央主管機関の個別許可を得た者
一定期間ビザランで暮らすとしたら、十分な貯金をしておくか、不動産収入や在宅ワーク等でコンスタントに月12万円以上の収入が得られれば、問題なく暮らせそうです。
番外③|澎湖で食べられる食事
高級海鮮レストラン以外でも、家庭的な澎湖料理・海鮮料理は食べられます。
潔癖症の人や、台湾のごはんがまずくてムリ!という人以外は、外食で暮らしていけます。
番外④|澎湖では日本語・英語はあまり通じない
台北でも言われているほど通じないと思いますが、それと同じくらいかもう少し通じません。台湾語が飛び交っています。外国人には中国語(台湾の國語)で話してくれます。
日本人向けなら認可ありで正式に学べる私立の塾がひとつだけあるので、中国語を学ぶというのも面白いかも。ただそれだけでは身につかないのも現実。
澎湖の国立科技大学に語学センターができたら一番良いと思いますが、受け入れが難しいんだろうなという事情を聞いたことがあるので当分は無理そう…。
大学生なら交換留学はできますよ!
中国大陸とは、使われている漢字・発音・声調・語彙に違い(台湾華語・國語)があるので、中国のアナウンサー発音・中国人の中国語(普通話)にこだわりたいなら、台湾は止めておいたほうがよいです。
通常使用されるテキストも、簡体字ではなく繁体字です。
あとローマ拼音(ピンイン)は台湾人は読めないので、台湾で生活するなら注音符號(ヂューイン)も覚えたほうが便利です。
ずっと北京出身の先生に中国語を習っていた人は「はじめは街中の台湾の人が何をしゃべっているか分からなかった!」と戸惑っていました。