牛乳ではなく、ヤギ乳(ヤギミルク)を飲まれたことはありますか?私は偶然、台湾のパン屋さんで見かけたのがきっかけで初めて飲みました。
1本200ml 30元(約110円)
中国語で羊乳(羊奶)は、ヒツジのミルクではなく、ヤギのミルクです。同じように、台湾では羊肉もヤギのお肉のことを指します。
とはいっても、台湾ではヤギ肉もヒツジ肉もあいまいでそれほど違いがないようです。
ヤギミルクは「生乳はさすがにクセが強いかも?」との予想に反して、意外とさっぱり味。牛乳と比べても、そこまで大きな違いを感じません。
今回は、台湾のヤギミルク(ゴートミルク)についてまとめました。
ヤギミルクの加工乳
成分無調整のノーマルのほかに、風味(フレーバー)を加えた商品も。
いちごヤギミルクや、りんごヤギミルクといった加工乳が販売されています。今までで一番美味しかったのは、チョコレートヤギミルクかな?
ヤギミルクの大人向けアレンジ
全家(台湾ファミマ)の貝禮詩拿鐵(ベイリーズラテ)にヒントを得て、ベイリーズヤギミルクにしてみました 色味がベイリーズなのが伝わるでしょうか。
といっても、全家でもラテ以外に牛乳が選べたので、それをヤギミルクにしたというだけなんですが(笑)
クリーミーさがとってもよく合って美味しかったです。
日本帰国後もベイリーズを買おうと心に決めました。豆乳やアーモンドミルクでもきっとおいしいと思います。
初鹿牧場と初鹿健康牧場…?
澎湖でもヤギはたくさん飼育されていますが、こちらは「台東初鹿健康牧場」のもの。初鹿は台東の地名です。
台湾人に聞いたら「ここの牧場は有名だよ~」と言っていたので、けっこう知名度がある牧場なんだな、と思ったのですが…
よくよく調べてみると、同じく台東に「初鹿牧場」というまた別の牧場(会社)があり、非常にややこしいではないですか(笑)
「初鹿牧場」のほうが歴史は長く、観光牧場としても人気があるようです。
こんなにややこしくして支障は出ていないのかと思って調べてみたら、やっぱり以前に揉めていました!
誤解を与えて売っていた?
2015年当時、初鹿健康牧場が「台東初鹿健康牧場鮮乳」を販売していましたが、台東の牧場の登記上ではヤギ50頭のみで、牛は一頭も飼育されておらず、実際の原材料は「高雄橋頭久益牧場」のものだったとか。
要するに、知名度のある「初鹿牧場」の牛乳、または原料が初鹿産の牛乳であると、消費者の誤解を招く恐れのある表記だったため、ひと悶着あったということのようです。
また別の会社も同じことをしていました。
日本でも、化粧品用の某椿油の原料が、その地方の椿油のみというわけではなく実は商品名なだけで、中国産のカメリア種子オイルを使用しているというのを思い出しました。
私は、椿油(純国産ツバキ油)愛好者です。
日本の純ツバキ油は、ヤブツバキ100%の製品を指すので、全国のドラッグストアで、安く大量に並べられるほどの生産はできないはずです。
その他オイルや混ぜ物も、椿油と表記されているので、これまたややこしいのです…。本物の純日本製の椿油の使用感は全然別モノです。
初鹿健康牧場は、今は牛乳などの一部商品名を眷戀へ変更しています。
ヤギミルクに関しては、当時からヤギを飼育しているのは確かで国家標準の品質もクリアしているので、気にしないことにします。
※眷戀 juàn liàn は、「愛着・懐かしむ」という意味の単語
日本では手に入りにくいヤギミルクの生乳
実は、日本では本当に限られたところ(5軒ほど)でしか生産されていないため、生乳を口にする機会はほとんどありません。
そのため、1本200mlで約400~500円が相場のようです。
どんな風味か気になる方は試してみてください。ワンコなどペットに飲ませてあげる飼い主さんが多いんですね。とっても贅沢な感じがします。
ヤギミルクの手づくり石けん
ヤギミルクは化粧品、石けんの材料としても使われています。石けんはとてもしっとりした洗い心地で乾燥肌に適しているようです。
手づくり石けんは、理科の実験と料理を合わせたような楽しさがあります。
日本では、ヤギミルクの粉末は用意できても、生乳はなかなか思い通りにとはいかず、大変なこともあるみたいです。
原材料に劇物の苛性ソーダを使うため、初めからひとりで作るのはおすすめできません。最低、数回は教室で習って、手順をある程度理解しておくのが安心&安全です。
台湾でも、セブンイレブンで子ども向けの石けん教室が開講されていたことがありましたが、やはり石けん素地を使ったものでした。
自宅で作るとなると、材料のほかに道具も必要なので、作りに行くのが一番です。
家で使う石けんはすべて手作りし、人にもおすそ分けするというレベルでないと苛性ソーダはとても使いきれません…。
手づくり石けんの講座は、1回完結レッスンが多いので、比較的行きやすい習い事だと思います。
台湾でヤギミルクを買う
スーパーではまだ見かけたことはありません。カルフールとか大きなところで探すと、もしかしてあるかも?
すごく地域限定になってしまいますが、台湾離島の澎湖(ポンフー)のパン屋さんの情報を載せておきます。
澎湖(ポンフー)は、台湾本島の西部に位置する離島で、日本でいうと沖縄のようなところです。行き方の記事に、観光スポットや名物をまとめています。
文光路の全聯スーパーの前です。3C(燦坤)もすぐ近くです。
文澳加油站(ガソリンスタンド)を過ぎ、(澎湖空港方面へ向かう)池上便當のお店の隣にあります。
営業時間は、およそ15時~22時半くらいまで開いているのではないかと思います。
こちらの牛角パンが有名で、サボテンを使ったピンク色のものもあります。味はふつう…ですが、あえていうならコーヒー味かな。
こちらのエッグタルトと、クリーム系チーズがたっぷりはさまった葉っぱの形をしたパンが安価なのに美味しいです。
台湾ではヤギ肉もよく食べる
台湾ではヤギ肉料理はポピュラーです。専門店以外でも、ヤギ肉入りチャーハンなどはたいていの食堂のメニューにあり、いつでも気軽に食べられます。
もし、沖縄の臭くて有名なヤギ汁を想像しているならば拍子抜けしてしまうくらい、台湾のヤギ肉料理はくさみがほとんどなく食べやすいです。
台湾では聞きませんが、ヤギミルクでも不快なほど臭みのある商品もあるそうなので、餌や環境が整ってこその、この味わいかなと思いました。
それとも限りなくヒツジに近いヤギ…だったりして。